世界で初めて実用に役立つ電話を発明したのが、誰でも知っているアレキサンダー・グラハム・ベル(Alexander Graham Bell:1847〜1922)、申請した特許が許可されたのが1876年3月7日だった。ほぼ同時期に、ほぼ同様の仕組みの電話を発明したのがエリシャ・グレイ(Elisha Gray)だったが、特許の申請でベルに一歩遅れ、機械と共に消滅してしまった。発明は特許の『早い者勝ち』という厳しい世界、ベルの名だけが電話の歴史に輝かしく残った。
その後一世紀と33年、昨今の電話の驚異的な進化は、ベルをはじめ誰もが想像の及ぶところではなかったに違いない。ここで電話の進化を振り返ってみるのも一興であろう。
◆1876(明治9年):ベルが特許を取った世界で初の電話(上);
◆明治10年、アメリカから初めて電話器を輸入。
◆1878(明治11年):日本で初の国産第1号電話器(左)
◆1890(明治23年):ガワーベル電話器(中);東京と横浜の間で電話が開通;
◆明治26年「もし、もし」が流行して定着。
◆1896(明治29年):デルビル磁石式、壁掛け電話器(右)
◆1897(明治30年):デルビル磁石式甲号、卓上電話器(左)
◆1897(明治30年):デルビル磁石式乙号、卓上電話器(中);
◆明治32年、東京と大阪の間で長距離電話が開通。
◆1899(明治32年):ソリッド・バック磁石式、壁掛け電話器(右)
◆1903(明治36年):グースネック共電式、壁掛け電話器(中);
◆明治42年、東京と富士山頂の間で電話が通じた。
◆1909(明治42年):2号共電式、壁掛け電話器(左)
◆1927(昭和2年):2号自動式、卓上電話器(右)
◆1933(昭和8年):3号自動式、卓上電話器(左)
◆1950(昭和25年):4号自動式、卓上電話器(中)
◆1953(昭和28年):23号自動式、壁掛け電話器(右)
◆1962(昭和37年):600号自動式、卓上電話器(左);昭和40年、新幹線に電話を設置。
◆ダイアル式からプッシュ・ボタン式の過渡期、デザイン志向の電話が生まれた。(中)
◆1969(昭和44年):プッシュ・ボタン(アメリカでは『タッチ・トーン』)式、卓上電話器(右)
◆1970年代から1980年代まで、様々なデザインが生まれては消えていった。
◆1983年あたりから、携帯電話(Cellular Phone)が普及し始めて今日に至る。その百花繚乱(ひゃっかりょうん)振りはとてもこのページでは紹介し切れない。
目下の時点で最も多機能でハイテク、人気の頂点にあるのがアップル社のアイフォーン(iPhone)であろう。
もし、かくの如きハイテク電話にご興味がおありだったら、"The Evolution of Cell Phone Design between 1983~2009” のサイトをご覧になることをお奨めする。
なお、当記事に掲げた資料の大半は日本電電公社の史料から抽出した。
1 件のコメント:
iPhone の多機能振りには驚嘆した。ただしその機能を誰もが必要とするかどうかは別問題。
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