2009年9月17日木曜日

訃報:ピーター・ポール&メリーのメリー


人気ヴォーカル・トリオ、 ピーター・ポール&メリー(Peter, Paul and Mary)メリー・トラヴァース(Mary Travers)16日(水曜)に亡くなった。4年前、白血病と診断され、骨髄の移植手術をし、化学療法を続けていたが寿命が尽き、コネチカット州ダンバリー病院(Danbury Hospital)で息を引き取った。享年72才

1961年、ブロンド長髪が特長のメリーは歌手として、二人の男性ギタリスト歌手、ピーター・ヤロウ(Peter Yarrow)、ノエル.ポウル・ストゥキィ(Noel Paul Stookey)らと一緒にトリオ、コーラス『ピーター・ポール&メリー』と名乗りニューヨーク、グリニッジ・ヴィレジ(Greenwich Village)の喫茶店ビター・エンド(Bitter End)」で初登場した。

翌年には始めてのアルバムピーター・ポール&メリーを発売、その中には500マイル(500 Miles)』、『レモンの木(Lemon Tree)』、『すべての花はどこへ消えた?(Where Have All the Flowers Gone?)』、ピート・シーガー(Pete Seeger)作の天使のハンマー(If I Had a Hammer: Hammer Song)』などヒット曲の数々が含まれ、ビルボード誌(Billboard)のトップ・テンに10ヶ月連続して人気の頂点に立ち、その後3年に亘ってトップ100を維持し続けていた。ヒット曲には魔法のドラゴン(Puff the Magic Dragon)』、ジョン・デンヴァ(John Denver)作の悲しみのジェット機(Leaving on a Jet Plane)』、ボブ・ディラン(Bob Dylan)作の『風に吹かれて(Blowin' in the Wind)』などがある。

時あたかもアメリカがベトナム戦争の泥沼にのめり込んだ時代で、同時代の反戦歌手たち:ピート・シーガージョン・バエズ(Joan Baez)、ボブ・ディラン、等と並んで全世界の若者たちから人気を獲得した。その後も引き続きグループは、公民権運動や社会的正義を唱える運動の第一線に立ち続けてきた。


1970年、トリオは解散してソロ活動に入ったが、トリオ当時の成功は期待外れだった。8年後の1978年3人は同名で再結成し、中米の平和運動の支援、原爆核兵器反対運動の支援などのコンサートに参加演奏し、以来年間40回というコンサート・ツアーを実現させた。1999年ヴォーカル・グループ部門でポップ音楽の殿堂入り(Vocal Group Hall of Fame)を果たした。

2007年2月には、北朝鮮による横田めぐみ拉致問題の解決を願うメグミを歌う(The Song for Megumi)』を発表、収益は救出活動に寄付。同年5月に来日、同問題支援コンサートを開催した。


晩年メリーは、音楽雑誌ゴールドマイン(Goldmine)のインタビューで(年配の)人々に会うと、よく言われるの。『私たちは貴女たちの歌を聞いて育ったよ』ってね。で、『私たちもね、歌で育ったわ』って答えたの』と語っていた。







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アルバムのリスト:











  • 1962 『Peter, Paul and Mary』
  • 1963 (Moving)
  • 1963 In The Wind
  • 1964 In Concert
  • 1965 A Song Will Rise
  • 1965 See What Tomorrow Brings
  • 1966 Album
  • 1967 Album 1700
  • 1967 In Japan
  • 1968 Late Again
  • 1969 Peter・Paul and Mommy
  • 1970 Ten Years Together
  • 1978 Reunion
  • 1983 uch Is Love
  • 1986 No Easy Walk To Freedom
  • 1988 A Holiday Celebration
  • 1990 Flowers & Stones
  • 1993 Peter, Paul and Mommy, Too
  • 1995 PPM& (Lifelines)
  • 1996 Lifelines Live
  • 1998 Around The Campfire
  • 1998 The Collection
  • 1999 Songs of Conscience and Concern
  • 2004 Carry It On
  • 2004 In These Times』

1 件のコメント:

JA Circle さんのコメント...

元々大柄な女性でしたが、晩年のメリーは肥満に悩まされていたようです。白血症だったと聞いてうなずけます。
でも懐かしい1960年代です。動乱の時代に新鮮な歌声は今聴いても泣きたくなります。