ケン・ベルソン(Ken Belson)
9月6日
[筆者は在日、New York Times の寄稿者]
9月6日
[筆者は在日、New York Times の寄稿者]
もし貴方が『伝統的な日本の面影』を頭に描いて近代日本を訪れたら、十中八九は失望するであろう。『古代の日本』なら、まだ京都、奈良や東京の片隅にも残っている。私が言う『伝統的な日本の面影』とは、第二次大戦以前の明治、大正、そして昭和初期の日本人の生活環境のことである。それが見聞できることで一般に知られているのは、名古屋の北方にある、史蹟を保存し、一カ所に集めて造られた明治村であろう。


その町並みの故に人口33万人の川越市は、NHK制作のミニ・シリーズ、時代劇ドラマ撮影のロケ地に選ばれた。このドラマが観光客の誘致に役立ったのは言うまでもない。6月のある日の午後、一台の貸し切りバスが到着、年配の男女(この場合は祖父母の年代)乗客たちを降ろした。彼らはその町並みを往来し、数々の蔵(くら)に驚嘆し、昔懐かしい駄菓子屋に立寄って懐旧に浸り、優雅な喜多院(後述)に感銘していた。

川越を訪問するのは至って手軽なことだ。市が東京のベッドタウンでもあるので電車の便が良い。池袋から出る東武、東上各線で本数も多いし、運賃も片道450円と安い。西武新宿駅から出る新赤羽?(New Red-Arrow Express?)急行は指定席で座り心地がよく、1時間毎の運行で片道890円。本川越駅で止まるから、そこで降りて散策を始めてもよい。市の観光地帯の大方は徒歩で2時間もあれば周り切れる。各種の美味しい料理を提供するレストランが数々並んでいるし、酒やビールも市内で醸造している。

徒歩観光はバス発着所から中央通りに向かってもよいし、一筋裏の静かな通りを歩くのもよい。戦後建てられた家並みや店舗を過ぎると、大正ロマン通りという戦前の建物が並ぶ地帯に入る。(島の恋?)大正館、アート・デコ風装飾の大正モダン喫茶店、などがある。

日本の土蔵というと大体が白壁だが、川越の蔵(前掲の写真参照)は19世紀後半(明治の後期)の建築方式で木炭混じりで黒ずんでいる。二階の窓に取り付けてある4層造りの分厚い外扉は耐火性で、火事が起きても隣家に類焼しないよう配慮されている。蔵の主な目的は米その他の貯蔵で、今日まで残存しているのは、川越の旧地主たちが、明治時代の鉄道敷設に抵抗を示し、そのため川越の工業化が立ち遅れたお陰で戦時中アメリカ空軍の爆撃目標から除外されていたからである。
現在、ある蔵は小売店に変身し、酒、漬け物、さつま芋、その他の日常品を売っている。また別の蔵は喫茶店(茶店[ちゃみせ]?)や、蒲焼き屋、そば屋(前掲の写真を参照)、その他のレストランに改装された。




本通りへ戻り、JR駅へ行く前に『いちのや(文字不明)』で蒲焼きの昼食をお奨めする。5種類の漬け物と吸い物付きで2400円也。

いずれも駅から遠くないから、食後、気軽に電車で東京その他の近郊へ戻れる。
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筆者からの案内:
大正館:連雀町13-7;電話81-49-225-7680 (クリック)
川越まつり会館:元町2-1-10;電話81-49-225-2727
いちのや:松江町1-8-10;電話81-49-222-0354
くろぶた・げきじょう:わきた町17-4、2階;電話81-49-226-8899
川越市の一般的な案内は、ここをクリック。
1 件のコメント:
ガイジンから日本の名所を紹介されるとは、思い掛けないことです。
ありがとう、ベルソンさん!
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