志知 均(しち ひとし)
ミシガン州ブルームフィールド・ヒルズ市
2009年9月12日
ミシガン州ブルームフィールド・ヒルズ市
2009年9月12日

個人主義と社会主義、つまり個人の自由と集団による統制の問題は政治レベルで議論するより生存本能と関係がある生物の個と集団の問題として考えた方が気持ちが楽である。



こうした単独行動から集団行動への移行は、単細胞生物や虫に限らず、進化したあらゆる段階の動物にもみられ、共通しているのは、環境が豊かであれば(十分な食料、外敵から安全など)『単独行動』し、生存が脅かされると『集団行動』へ移る点である。

1920-30年代の大恐慌の時や世界大戦で、ドイツや日本のファシズムの脅威にアメリカが直面した時には『個人の力』より『政府の力』の方へバランスが傾いたが、資本主義経済が順調に働き、中産階級の生活が豊かになるにつれ、自由と平等にもとずく個人主義が戻ってきた。私が初めてアメリカへきた1950年代のアメリカは名実ともに世界最強の富める国であった。
それが20世紀後半に入ると、ムダな戦争による国費の浪費、製造業の衰退、義務教育のレベル低下、公共施設の老朽化、政府の財政悪化, 市民の負債の増加、医療費の増加などネガテイブな要因が積もり積もったが、殆どの市民はその深刻さに気がつかなかった。そして2008年秋に未曾有の金融経済危機がおとずれた。2009年末までには全国失業率は10%を超え、連邦政府の財政赤字は1.6兆ドル(約152兆円)に達すると予測されている。現在の『貧困率(Poverty Ratio)』はアメリカ史上最高になった。半世紀の間にアメリカが貧困になったのは明白である。

試練の時期が過ぎて経済活動が活発になり繁栄が戻れば,違った形であるにせよ、アメリカ個人主義は必ず戻ってくるのを私は疑わない。
1 件のコメント:
透明な政治を掲げたオバマは、過半数の大衆の心を動かしました。オバマも、オバマを投票した大衆も、上下心を一つにし『集団で』危機に対処する時だと、本能的に自覚しているのでしょうね。
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