4月19日付け、NYTから
アイスランド(Iceland)の最高峰エイジャフジャラジョカル火山(The Eyjafjallajokull volcano:地名全ての正しい発音は未確認)が3月20日、2世紀にわたる眠りから醒め、ゆっくりと噴火を始めた。地震の兆候は記録されていないが、赤い噴煙が広大な氷河の上空に広がっていった。 続く数日にわたり、十数個の噴火口から紅蓮の炎を、100メートルの高さまで吹き上げたと、アイスランド大学(the University of Iceland)の地球科学研究部門(the Institute of Earth Sciences)が観測を発表した。この凄まじい活動は、火山の東北斜面に20メートルもの厚さで流れる『溶岩の滝』を伴い、思い掛けなく観光客の目を奪う爆発では、煙を1万1千メートルの高さまで押し上げた。
この火山灰をたっぷり含んだ煙が北部ヨーロッパ一帯の上空に広がり、旅客機の飛行を不能にし、交通マヒの波紋は更に広がっていった。噴煙は北部から中央ヨーロッパにも延び、他の地区にも深刻な打撃を与えている。過去にこうした状況の下に飛行機が飛んだことがあるが、火山灰がジェット・エンジンに入って再び溶け、機関内部に付着し、エンジンの機能を不能にし、航行できなくなり墜落してしまったことがある。
そうした障害による致命的な危険が明白であったため、航空管理局(The Aviation Authority)は民間、軍用の如何に関わらず、全ての飛行場を閉鎖するよう指示した。かくして4月16日の午後までには、国際線の乗り継ぎ拠点となる主要な空港が閉鎖された。何千という飛行予定がキャンセルとなり、何百万人もの旅客が行き場を失った。北米やアジア地区からヨーロッパへ向かう予定だった旅客も、その影響を受けて立ち往生してしまったことは言うまでもない。(右の地図で褐色の陰になった部分の上空に火山灰が広がった)
本日、4月19日夕刻現在のニュースによると、ルフトハンザ航空が飛び始めたが、まだ危険地帯が多く慎重で、完全な回復まで可成り時間がかかりそうだ。自然と人智の間に起こる不都合な摩擦を振り返ってみよう。
天然の美
(左から) ▲ヴァタナジョカル国立公園(Vatanajökull National Park)のモウサアダ ラァ峡谷(Morsárdalur Valley)とスカフタフェルスフジョル山脈(The Skaftafellsfjöll Mountains) ▲ヴァタナジョカル氷河(Vatanajökull glaciers)の氷の塔の上に立って観察する人 ▲ジョカルサァロン礁湖(Jökulsárlõn Lagoon)のブレイオアーマーカーフジャラ海岸(Breiôarmerkurfjara Beach)の氷塊群(左から) ▲ヴァトナジョカルの氷頭(Vatanájökull Ice Cap)に見られる沸騰する泥水沼、排出される蒸気、色鮮やかな粘度質の地面、地熱による堆積、それを囲む氷塊 ▲2004年に噴火したグリムスヴォトン、セントラル火山(Grimsvötn Central Volcano) ▲オーロラ(The Northern Lights)
広がる火山灰の噴煙
(左から) ▲沸き上がる噴煙 ▲昼夜を分かたず住民を脅かす噴煙 ▲オラファジョカル火山(The Oræfajökull Volcano)
(左から) ▲エイジャフジャラジョカル氷河(the Eyjafjallajökull glacier)の噴火口から立ち上り広がる噴煙 ▲夜景 ▲羽毛状に立ち昇る火山灰噴煙
飛行機が不能で空港を閉鎖
(左から) ▲火山灰が厚く積もった道路を走る車 ▲ベルファスト市(Belfast City)の空港でジェット・エンジンの開口部を塞ぐ整備士 ▲ロンドンで、ユーロスター(Eurostar)の乗車券を買うために待つ旅客たち
(左から) ▲パリ、チャールス・ド・ゴール(Charles de Gaulle)空港の発着掲示板、、、全ての便がキャンセル ▲フランクフルト(Frankfurt)空港で臨時に用意された簡易ベッドで仮眠をとる旅客たち ▲バーミングハム(Birmingham)国際空港は閉鎖を延長したので無人状態
アイスランドの写真はロジャー・シグアドソン(Roger Th. Sigurdsson)撮影
1 件のコメント:
大自然の脅威には勝てません。地震、噴火、洪水、竜巻、雷、逆らわずに共存する方法を考えましょう。
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