2010年3月8日月曜日

新ビッグ・スリー

従来『ビッグ・スリー』と言ったら、アメリカの三大自動車会社、GM、フォード、クライスラーを意味していた。近年トヨタ自動車は、その目覚ましい発展で一時、世界一の販売台数を達成したので、新しいビッグ・スリーにのし上がり、瀕死のクライスラーは、『ビッグ・スリー』から脱落という憂き目に会ってしまった。

では、その『新ビッグ・スリーGM、フォード、トヨタの業績状況はどうなっているのだろうか?それはニューヨーク・タイムズ紙がまとめた下記三つの概況表によって、一目瞭然、ご理解頂けると思う。

第一の表:消費者から苦情の推移

品質を誇るトヨタが一貫して苦情が2000件内外と少ないが、2004年から2007年にかけて欠陥車の続出で苦情が増えてきた。それに反して、GM、フォードは、2000年当時、1万2千から1万4千と多量の苦情が寄せられていたが、年を追って品質が改善され、先月の半ばにはゼロ近くまで向上し、トヨタを凌いだ。

第二の表:アメリカ市場での販売占有率
2000年以来、GM、フォードの漸減推移に反して、トヨタは漸増、2007年にはフォードを追い越し、この表には出ていないが、一時GMも追い越して世界一となった。

第三の表:消費者の採点
ナショナル道路交通公団(National Highway Transportation Administration)の統計に基づき、消費者リポート(Consumer Reports)がまとめた自動車に関する消費者の評価順位である。売り上げ台数はともかく、ホンダスバルが一位、二位を占め、トヨタは欠陥車で評判を落としたが、三位を確保した。フォードはあえなく11位、GMは更に下がって13位、辛うじてクライスラーの上に立った。五位のニッサンが、95パーセントという消費者リポートの高い評価を獲得し推薦』項目のトップに立っているのが注目に値いする。

この調査は、消費者が3年間所有していた車を対象として行われたので、品質向上前のアメリカ車が含まれており、フォード、GMが下位に落ちたのだと思われる。品質が更に向上するであろう将来には、多分上位に復活するであろう。

1 件のコメント:

JA Circle さんのコメント...

『驕る平家は久しからず』と言われたのは古い昔のことのように思っていた。世界最大の自動車会社GMに限って、と別格に考えていた大方は、昨年の衰退振り、そして『破産』の結末は信じられず目を見張った。
トヨタにも『驕り』が見られる。今の所『没落』の兆候はみられないが、欠陥車の処理をどう捌くかで、その進退が決まるであろう。『没落』の可能性が全くないとは言い切れない今の社風が気になる。