テレグラフ(Telegraph)
2009年5月24日付け掲載の記事から
2009年5月24日付け掲載の記事から
ハンブルグ、エルベ川(River Elbe, Hamburg)の岸に建っている空きビル(右の写真)の中に、ミニアチュア・ワンダランド(The Miniatur Wunderland)という模型の鉄道が設置されつつあり、既に一般公開されている。
その鉄道の模型は、2000年からフレデリック(Frederick)とジァリット・ブロウン(Gerrit Braun) 二人のドイツ人兄弟が作り始めた。目下、2014年の完成を目標に制作に余念がない。地理的な背景は、アメリカ、スイス、スカンジナビア、ドイツ、それにオーストリアのアルプスの5つの地域から成り、そこを舞台として汽車が走る。
アメリカの部分は、ロッキー山脈(Rocky Mountains)、岩山に彫刻された4人の大統領の巨大な胸像で知られるマウント・ラシュモア(Mt. Rushmore)などがハイライト。スイス地区には代表的なマッターホーンが聳え、スカンジナビア地域には全長1.3メートルの船が停泊している。
完成の暁には、(模型の)汽車は1,800平方メートルの舞台に敷設された全行程21キロの鉄道を走り回ることになる。それまでには、フランス、イタリア、イギリスから細部の部品が届いて汽車、客車が完成する予定だ。
それらは約700輌の汽車が主体で、それに1万輌余りの客車や貨車が付随し、最長の列車は14メートルに及ぶ。
観光的な風景の沿線には、900個の標識、2800の建造物、4000台の自動車が配置され、車のヘッドライトや建物の照明が点滅できる。(左右の写真、下部の下段左は中央コントロール室)
建物や山河を含む舞台の景観を構築するのに4000キログラムの鉄鋼と700キログラムの板ガラスが使われた。(下部の上段左)
天井全面に装置された25万個の電灯は自動的に調節され、全景に昼と夜の変化が見られる。
この壮大な模型は未完成ながら既に一般に公開している。これまでに延べ50万時間余り作業にかけ、1千250万ドル以上費やした。その費用の大半は入場料からの収入で賄われ、更に計画を拡張するのにも当てられる。160人の従業員は、観客を案内し、その制作の裏話も紹介している。
ジァリットは「我々が計画したこの大模型の世界は、老若男女だれにでも驚嘆してもらえるでしょう。基盤になっている考え方は、初めはどんなに構想が不可能に思えても、それに向かって挑んで可能に変えていくことなのです。そうした姿勢を保ち続け、技術的に実現させ、観客に感嘆してもらえるのは大きな歓びです」と胸を張った。
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その他
1 件のコメント:
汽車は子供の頃から憧れていた大人の夢です。ぜいたくな道楽、それを商売にするのも悪くはありませんね。
いつまでも夢を、です。
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