2010年1月19日火曜日

駆け足で見たオート・ショー

ハイライト

オート・ショー公式な名称2010年度北米国際自動車ショー(2010 North American International Auto Show)』が、例年通りデトロイトコボ・センター(Cobo Center)1月16日から24日まで開催されている。

昨年GMクライスラーが破産宣告したのを受けて、今年のオート・ショーは往年の豪華絢爛さは見られない。その一方で、石油問題、環境問題、などが真剣に考慮され、将来の自動車のあり方に強く反映している面が随所に見られる。その答えが車体の小型化、軽量化であり、ハイブリッド車の人気であり、また電気自動車開発の動きでもある。展示車の詳細は専門誌に任せるとして、ショーのハイライトだけ駆け足でお伝えする。

ビッグ・スリーの不振にあって、フォードだけが破産を免れ、態勢を整え、2009年の第3期には10億ドルの収益を上げ、2年振りの黒字に戻った。同社のフュージョン、ハイブリッド(Fusion Hybrid)』と、トランシット・コネクト(Transit Connect:左の写真)』の2車は北米カー・アンド・トラックの年度賞(North American Car & Truck of the Year)を受賞し、意気軒昂である。フォードは2012年型フォーカス(Focus:右の写真)』を発表。これは同社の大型トラックから国際市場を目標にしている代表車と言えよう。

フォルクスワーゲン(Volkswagen)の新車コンパクト試作クーペ(Compact Coupe concept左の写真)』は、ジェッタ(Jetta)のサイズである。

昨年クライスラーを傘下にしたフィアット(Fiat)から、クライスラー製の車と並べて数車出品している(右の写真)。2社綜合しても、展示の予算を切り詰めていることは明白で、ジープ(Jeep)』を含めて、展示車は報道記者だけを意識した単純な展示である。

ホンダはスポーティなハイブリッド・クーペ(Hybrid Coupe左の写真)CR-Zを出品。

GMは、GMCグラニット(Graniteの写真)』を出品し、永年打ち立てた『重量級』のイメージを変えようとしている努力が見える。しかし、同社は今までの『たくましい』幻影を捨て切れないようだ。

昨年、オールズモビール、ポンティアク、サターン、などの部門を切り捨てたGMは、当然の結果として展示スペースは往年に比べて著しく縮小された。ビュイックリーガル(Regalの写真)GSは、2011年型として発売する予定の高性能車という謳い文句だが、果たして消費者が本当に望んでいるかは別問題だ。

キャデラック部門からは、従来の大型デヴィル(DeVille)STSDTSセダンにとって替わるXTSプラチナ(Platinumの写真)』を発表。果たして『小型のキャデラック』がキャデラック・ファンを魅了するかどうか疑問だが。

燃費の経済性と車のスタイリング

今のところ、経営が安定していフォードでは、ヨーロッパ製のフォーカス(Focus)』フィエスタ(Fiesta』に省エネルギーの先陣を受け持たせ、国内産では小型トラックのトランシット・コネクト(Transit Connect:の写真)』に期待をかけている。

GMではまだ試作の段階だが、シボレースパーク(Spark)』アヴェオRS(Aveo RS)』を立てている(右の写真)

ミニは小型車製造では定評があり有利な地位にある。アメリカで発売を企画しているビーチコマー(Beachcomber:左の写真)』ミニの期待を背負って登場。

電気自動車の行方

ハイブリッド、プリアス(Hybrid Priusプリウス)』などで、バッテリーの開発技術では市場の先頭を切っているトヨタでも、長距離型全電気自動車の生産には二の足を踏んでいる。そのトヨタが試作車として出品したのがFT-CH(右の写真)

今年の新顔は中国のメーカー、BYDオート(BYD Auto)。北米市場の開発に意欲満々。2025年までには世界最大の自動車メーカーになる、と鼻息が荒い。BYDオートの試作車e6(左の写真)。年末までには量産車にするという意気込みだ。

テスラ(Tesla)はあまり知られていないアメリカのメーカー。スポーティな電気自動車ロードスター(Roadster)』が看板だが、更に多くの消費者を対象とした試作車モデルS(Model S:右の写真)』セダンを出品している。

ヒュンダイ(Hyundai)は意欲的なデザインでブルー・ウイル(Blue Will:左の写真)』を発表。

BMWから、限定生産で2011年を目標にした試作車アクティヴE(Concept ActiveE:右の写真)』を出品。同車は実験的に限定した個人にリースされる計画である。

追記

ポルシェ(Porsche)など、何社か外国車(主にヨーロッパのメーカー)の不参加に気が付く。

1 件のコメント:

JA Circle さんのコメント...

どんなに不況でも、オート・ショーは自動車産業の新年、矢張り『何か』を期待します。