アメリカでは、春に1ガロンについて4ドルを上回りましたが、最近3ドル台に下がり横這い状態です。値が下がったといっても、4ドル近くですから法外です。不況時代の出費としては家計に大きな割合を占めています。ガソリンの高値は諸物資の運送費に直接反映し、更にあらゆる物価に影響し、ジリジリと値上がりを示しています。
不可解なのは、こうした一般消費者たちの窮状をよそに、石油会社の利益は軒並みに天文学的な数字を示し、経営幹部や出資者たちは巨額なボーナスを報酬として受け取っていることです。値上げの理由は、常に『需要と供給の原則』を掲げ、中国の需要が急速に伸びたことで石油供給国の品不足による、という説明に固執しています。
車が必需品になってしまった今日、高値のガソリンをボイコットしたくてもできないのが我々の弱味です。せめてトヨタのハイブリッド車でガロン当たりの走行距離を伸ばすといった消極的な対策しかありません。
電気自動車に期待をかけていますが、今のところ一回の充電による走行距離が実用には程遠いので旅行には向かないことと、価格が高嶺の花であることで躊躇しています。そこで現状に戻り、ガソリン代について見方を変えてみましょう。
1ガロンは約3.8リッター、ドルは円高で不安定。為替レートは何時の世にも不公平な割合を示していました。ですから換算は一応棚上げにして、ガロン/ドルの設定でお考えください。
下の25セント玉が16枚で4ドルです。これで1ガロンのガソリンが買えます。判っているのは1ガロンにつき4ドルが給油の度に懐から抜け出していくのですが、この4ドルの行方や如何に、です。
輸入から精製、そして供給まで、石油会社にも色々な支出があることでしょう。今回はその複雑な経路や原価計算の記述は省略させていただきます。
一足飛びに産油国の首長を訪ねてみましょう。
これは元アラブ共和国の首長でアブ・ダビ(Abu-Dhabi)の統治者だったシェィク・ザイェド・ビン・サルタン・アル・ナヒャン(Sheikh Zayed bin Sultan Al Nahyan)一家の住宅です。ホテルではありません。
そして、駐車中の車の群れは家族のものです。
そして、そして、これは首長のために特別注文で納入された自家用車アウディ(Audi)A8型です。『銀色』ではありません。無垢の『銀製』です。 当然ながら、彼は(彼の運転手は)時に応じて車に給油します。
彼は1ガロンにつき9セント(左の写真は25セント玉の25分の9)のガソリン代を支払っています。何故でしょうか?彼の富は誰の貢献によるものでしょうか?
資料はジョー・グレィ(Joseph Grey Jr.)提供、編集:高橋 経
1 件のコメント:
何故1ガロン9セント?安いのではありません。それが正当な価格なのです。
富の偏在はアラブ首長だけではありません。石油会社もガソリンの価格をつり上げて漁夫の利をえているのです。
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