2010年11月5日金曜日

長寿の秘訣、アメリカ版

最近の日本で、孤独のまま死亡した老人が届けや記録がないまま、戸籍上の長寿者となっていたことが次々と明るみに出て『日本は長寿国』という伝説が崩れてきた。それについては、去る8月『ハイテク時代の姥捨て山』と題して公開したので多言を避け、今回はアメリカ版の長寿者8名をインタビューしたニューヨーク・タイムズの記事をご紹介する。

記者に長寿の秘訣は?と聞かれたヘイゼル・ミラー(Hazel Miller;100才、右の写真)は、「100才まで生きられたなんて素敵だわね」と答えた。それに付け加え「秘訣なんてないわ。ただ今日まで死ななかっただけ、、、最高なのは現在生きていて100才を迎えたこと。それを喜べることは、それこそ人生のオマケを享受したと言えるのじゃないかしら」さり気なく受けた。

全般的に洋の東西を問わず、女性の方が男性より長生きする可能性が高いという統計が出ている。但し、このインタビューで女性6人に男性2人となっているが、これは統計上の比率とは無関係である。

個々のインタビューを全て掲載する代わりに総合的な秘訣をまとめて見た。(オットー・セイデル:Otto Seidel: 101才、左の写真)

せな人生

殆どが共通していることは「人生を楽しんで送る」ことにある。「アメリカは豊かだから苦労せずに人生を楽しめるではないか」とお考えになる向きもあると思うが、必ずしもこの長寿者たちが豊かな生活に甘んじていたわけではない。一同共通して1920年代から30年代にかけての大恐慌時代を成長期に体験して育ったきたことをお忘れなく。要するに、不況のドン底にあった際、どう対処するかが幸と不幸の分かれ道になる。

挫けずに活路を見出す努力と、不遇な境涯に負けない積極性、あるいは楽天性で窮地を脱出することができる。それが達成できた時の歓びを忘れず、手放しで『欣喜雀躍』する率直さがその人の人生を明るくする。長寿への第一歩である。(ローズ・カッツ:Rose Katz: 103才、左の写真)

それと並行して、自身が情熱を傾けることができる『目標』をもつことも必要だ。

円満な家庭

円満な家庭は先ず夫婦から始まる。「惚れたはれた」で結婚しても所詮は他人同士、年を重ねるにつれて相手の欠点が見えてくる。意見が食い違うこともある。しばしば「別れる他はない」と結論を出してしまう。だが待て暫し、それをどうやって解決するか、冷静な話し合い、相手を理解する努力、妥協なしで相手を許容する寛大さも必要であろう。(エスター・タトル:Esther Tuttle: 99才、右の写真)

この危機を乗り越えたら、次は親子関係、そして祖父母と孫の関係、すべてを円満に保ことができたら長寿は半ば保証できる。


他人との良好な人間関係

近い他人は友人、少し離れて先生、社会人となれば同僚や上司との関係、それらの全てが旨くいっているかどうかが健康を左右する。時には腹が立つ出来ごとが起こるであろう。人生は障害競走の連続である。でも1秒を争う競争ではない。無理をせず時間をかけて人間関係を円満に保つことができたら長寿は半ば成就する。(フィル・ダムスキィ:Phil Damsky: 100才、左の写真)

趣味の同好会などに参加するのも心身のリクリエーションになる。



食べるものの良し悪しで肉体的な健康が左右される。今アメリカで一番問題になっているのが成人の3分の2が『肥満』している事実。その又半分が病的な肥満症、由々しき実情である。原因は単純で脂肪甘味の摂り過ぎである。摂取量を減らせばよいのに医者に頼り、高価な薬を飲む。一時的に回復しても舌を甘やかして以前と同じように『脂肪』『甘味』をムシャムシャ食べるから元の木阿弥である。肉やケーキを食べるなとは言わないが、生野菜をもっと摂取すれば健康は保証できる。(メイ・アンダーソン:Mae Anderson: 103才、右の写真)

酒とタバコ

誰が『酒は百薬の長』と言ったか知らないが、酒は飲まなくとも身体に異常を起こすことはない。それどころか、酒の百害は恐ろしいほど挙げることができる。タバコも同様、身体が必要とするのではなく、ただ単に習慣性から吸っているだけのことである。酒にしてもタバコにしても、『習慣性』という中毒症状を伴う危険性がある。何のために危険を侵してまで飲んだり吸ったりするのだろうか?長寿者たちは首をかしげる。


運動

人間、年をとればとるほど、身体は若い時のようには動かなくなる。当然のことだ。問題はその『老化』を早めるか、遅らせるかにある。身体は使わなければ自然退化する。使い過ぎると疲労して足腰に障害を起す。いずれの極端な状態は避け、適当な運動を繰り返すと身体の適応性を保ちつつ老化を遅らせ、痛めずに長持ちする。(グラディス・ドレスGladys D'Less: 100才、左の写真)

過ぎたるは及ばざるが如し

何事でも、過ぎないこと。『食べ過ぎ』、『飲み過ぎ』、『吸い過ぎ』いずれも良い結果は決して得られない。『食べない』、『動かない』、『何も考えない』いずれも人生の歓びは得られない。ほどほど適切な人生態度と自分の心身に適合する度合いを発見することが長寿の秘訣であろう。(トラヴィラ・デミング:Travilla Deming: 100才、右の写真)

充足した人生

この最も重要な答えは、冒頭に掲げた『幸せな人生』を送ること。こればかりは本人しか発見することができない。

1 件のコメント:

JA Circle さんのコメント...

体験者の言うことに間違いはありません。
本当ですよ。