トーマス・フラー (Thomas Fuller)
4月1日付け、NYTの記事から
ミャンマー民主化へ移行の第一歩が始まった。
軍事独裁の圧政下にあり、ミャンマーの民主化運動を推進してきたダウ・アウン・サン・スー・チー(Daw Aung San Suu Kyi:66才)女史は、1991年、ノーベル平和賞を授賞した後、15年ほど軟禁されて口を塞がれ政治活動を抑えられていた。釈放され、民主国家連盟党(the National League for Democracy)から今回の選挙に立候補し、多数の支持者たちの投票を得て議員に当選した。
長年の軍事政権下にあったミャンマーの政情が、一年前に市民議員の勢力が進出し、それによって、西欧の経済封鎖が解除されるであろうという期待を寄せていた。それだけにアウン・サン・スー・チーの当選は、ミャンマー人民に希望を抱かせるに十分な出来事と言える。[以下省略]
(朝日新聞:4月2日付け『天声人語』から)
[前略]、、、ミャンマーの民主化である。悪名高い軍事独裁が長く続いた国の豹変ぶりに誰もが驚く。国際社会という観客に民主化を演じつつ、裏で舌を出しているのではないか。疑念がすっきりとは消えない▼アウン・サン・スー・チー率いる野党の「勝利」が伝わってくる。だが、これとて「公正で自由な選挙をアピールする狙い」との見方がある。補欠選挙だから圧勝されても与党の優位は揺るがない、と。見る目が意地悪に過ぎようか▼スー・チーは初めて国政に参加する。一歩前進で、民主化への弾みもつこう。とはいえ、強制と恐怖で支配してきた軍政による憲法は残る。[以下省略]
1 件のコメント:
『軍事政権』という言葉を聞いただけで、かつての日本の悪夢がよみがえってくる。外国の圧力なしで民主化される、と聞いて、額面通りに受け取れないのは『天声人語』と同感な危惧である。それが杞憂であればめでたし、めでたし。
コメントを投稿