はじめに:ご存知『アニメ』は、英語の『アニメーション(animation)』を和風に短縮したものだが、これが逆輸入(出?)され『Anime』とは『日本製アニメーション』という意味で使われ始めた。アメリカのアニメーションは、ハリウッドの創成期以来、ドタバタ喜劇、ボードビル風の音楽などの短編が主流だった。それが1937年、ディズニー(Disney)が10年掛かりで制作した長編アニメーション『白雪姫(Snow White and the Seven Dwarves)』以来、単独で劇場映画の地位を獲得した。アメリカでの最近のアニメーションは、ピクサー社(Pixar)をはじめ、高度なコンピューター・グラフィックス(CG)を駆使し、超リアルな背景や動きを可能にしたものが多くなった。しかし、一概には言えないが、往年から継承されたドタバタ性は依然として製作の底を流れているようだ。
従って、日本のアニメがアメリカ製と一線を画せるのは、その底に作者の感傷、、、おとぎ話、妖怪、郷愁、環境などに対する、、、感傷が流れていることであろう。その点に新鮮味を感じて一連の日本製アニメを高く評価しているのが、下記マイク・ヘイルのアニメ評論である。
なお、ヘイルの評価は、宮崎駿(はやお)、高畑勳(いさお)、らアニメ作家が結成したスタジオ・ジブリ社の作品が主体となっている。目下、同社の作品15点が昨年末から1月12日まで、マンハッタン、グリニッジ・ヴィレッジ(Greenwich Village)にあるIFCセンター(IFC Film Center, 323 Avenue of the Americas, at Third Street, Greenwich Village; (212) 924-7771)で上映されている。----- 編集:高橋 経
フィルムで語られる日本の物語
評論家マイク・ヘイル(Mike Hale),NYT掲載の覚え書きより抜粋
2011年12月

従って、スタジオ・ジブリ社の作品15点が公開されるということは、アメリカの観客にとってまたとない好機である。

アメリカで1999年に『もののけ姫(アメリカ題名:Princess Mononoke)』が初公開され、続いて宮崎作品の傑作『千と千尋の神隠し(Spirited Away)』が、最近では『天空の城』がそれぞれ公開され観客から絶賛を浴びた。私からは、これに付け加える言葉はない。

これと同様な主題を扱ったのが、1999年制作の『となりの山田くん(米題:My Neighbors the Yamadas)』で、冗談まじりで典型的な家族内の摩擦のできごとを、軽い水彩タッチの画面で余白を残しているのが好ましい。
宮崎と高畑はスタジオ・ジブリの共同創立者だが、フェスティヴァルでの呼び物は、1986年宮崎の最初の作品『天空の城』のシリーズで、『ハウルの動く城(日本題不明、米題: Howl's Moving Castle)』というアクション物。宮崎がテレビ用のアニメを制作していた時代に作ったシリーズで、子供が空を飛び回る冒険物語である。


スタジオ・ジブリの作品の殆どには、そして日本製アニメの典型的な傾向だが、一抹の暗い恐怖の陰が常に存在する。たとえ幼年の子供達に親しく呼びかける姿勢を保っているとしても、こうした『陰』は、我々日常の生活の中に間違いなく潜んでいるものだから避けるわけにはいくまい。また、少女が裸の父親と一緒に入浴するシーンは、アメリカの親達にとって考えられないことだ。しかし、宮崎駿、高畑勳、両氏とも子供に見せられないアニメは作っていないと信じている。
1 件のコメント:
宮崎の作品では、『トトロ』と『神隠し』の2本を観ました。いずれも白人の友人から教えられました。私はツンボ桟敷にいたようです。この機会にスタジオ・ジブリの作品を観たいと思っています。
コメントを投稿