2012年1月11日水曜日

国際自動車ショー


 国際自動車ショーは、毎年1月早々、目下デトロイトを皮切りに始まっている。

数年前の経済恐慌と相俟って、ガソリン価格が高騰し、そうでなくても家計が厳しい一般消費者がガソリン代やその燃費に神経質になったのは当然で、それが反映してオバマ大統領が燃費向上を各メーカーに法令として義務づけた。

そうした消費者動向を背景に、ハイブリッド車ではトヨタのプリアスが、たった2.4パーセントの需要で、その方面の市場を独占していたが、他社も負けずにハイブリッド生産に力を注ぎ、今年の自動車ショーでは、どうやら各社のハイブリッド車が出揃ったようだ。

その一面で、昨年のガソリン代はやや下がったため、ハイブリッド車の市場が2.2パーセントに下がった。(LMC Automotive社の調査による) それには、価格がガソリン車に比べて割高だという弱点も手伝っていたようだ。

ハイブリッド車
左から:フォルクスワーゲン、ジェッタ;ベンツ、E-400;フォード、フュージョン
左から:BMW、アクティヴ;ヴォルヴォ、XC-60; フォード、C-マックス-エナージ

電気自動車もぼちぼちだが、最大の難点は一回の充電で100マイル(160キロ)しか走行できない。近隣の買い物用にはよいが、長距離の旅行には充電ステーションが全国的に皆無に等しいし、家庭用のコンセントでは充電に何時間もかかる。残念ながら今のところ実用的ではない。

コンセプト・カー
左から: レクサスLF-LC; マセラッティ、クバング; ベンツ、スマート・フォー・アス

左から: ホンダ、アキュラ; トヨタNS-4; アウディ、Q-3ヴェイル

左から: ニッサン、パスファインダー; ホンダ、アコード; ビュイック、アンコール

左から: ホンダ、アキュラNSX; シボレー、コード; シボレー、トルー 

左から: リンカーン、MKZ; GM、ATS; ダッジ、ダート

ハイブリッド車はさておいて、若い年齢層を対象としてデザインされたコンセプト車(試作車)の展示も観客の目を引いている。これら、試作の範囲で終わってしまう場合が多いが、評判さえ良ければ量産される可能性は充分にある。

新車
左から: グランド・チェロキー; BMW 3シリーズ; ベントリー・コンチネンタルGT

左から: フォード、フュージョン; ヒュンダイ、ヴェロスター; ドッジ・チャージャー・レッドライン

左から:シボレー、クルーズ(カローラ); シボレー、カマロ; デビュタンテ、BYDのハイブリッド(中国)

 左から: BMW 650i; ビュイック、ヴェラノ; ビュイック、ラクロス

従来のガソリン車も、装いを新たに登場した。景気がやや回復の兆しも見せたので、購買者の懐も緩んで買い気十分、一時倒産騒ぎまで起こしたビッグ・スリー(GM。フォード、クライスラー)も、売り上げが上昇して活気をとり戻したようだ。

註:個々のクルマについて詳しいことは、ニューヨーク・タイムズ紙をご覧ください。(クリック) 編集:高橋 経

1 件のコメント:

JA Circle さんのコメント...

アメリカの景気は、自動車ショーがバロメーターです。心をときめかせて新車の登場を待ちこがれていた1960年代が懐かしいですね。景気回復を祈りつつ、、、メーカーは、過剰生産、過当競争を謹んでもらいたいものです。聞く耳はもたないでしょうが、一言。