2010年5月7日金曜日

スタイルの芸術と、芸術のスタイル

ロベルタ・スミス(Roberta Smith)
2010年5月7日付け、NYTより抜粋

今ニューヨークで、二つの高級ファッションの展覧会が開催されている。一つは、メトロポリタン美術館で『アメリカの女性:アメリカの独自性を示すファッション(American Woman: Fashioning a National Identity)』と題した展示、もう一つは、ブルックリン美術館で『アメリカの高級スタイル:ファッションとして見た国家的コレクション(American High Style: Fashioning a National Collection)』である。
上の写真中央はチャールス・ジェィムス(Charles James)
1957年の作品、イブニング・ドレス『ダイアモンド(Diamond)』の後ろ姿。ブルックリン美術館。

ブルックリン美術館の展示は、何十年も陽の目を見ていない正当に『ファッションの傑作』としての評価された所蔵の全てで構成されている。

スチーブン・アァパッド(Steven Arpad)1939年の作、イブニング・シューズ(ブルックリン)

ブルックリン美術館には展示は、アクセサリーが豊富、作者の表現が個性的で、その作品はファッション史の頂点を示している。 右側はヴィクトリア女王(Queen Victoria)が、彼女の孫、ヨークのエドワード・アルバート皇太子(Prince Edward Albert of York)が洗礼を受けた儀式の際に着用したドレス。

メトロポリタン美術館『アメリカの女性:アメリカの独自性を示すファッション』の一部として、1910年代のギャラリーでは愛国者と婦人参政権論者たちがテーマとなっている。

『アメリカの女性』展は、コスチューム・インスティチュート(the Costume Institute)の館長、アンドリュー・ボルトン(Andrew Bolton)が監修構成した。同インスティチュートは2009年1月に、メトロポリタン美術館の管理下におかれるようになった。以後倉庫が増築され、ブルックリン美術館で収容しきれなくなった古いファッション物の収納も引き受けた。

ブルックリン美術館の展示に比べ、メトロポリタン美術館の展示は、ギャラリーが長々と関連した雰囲気の流れを保っている。この円形ギャラリーには、80点以上のガウンアンサンブルを、時代の変遷と対照させて大壁画を形成している。

ボヘミアンと題するギャラリーの展示で、1900年代のドレスの細部。

メトロポリタン美術館でフラッパー(Flapper)』と名付けられたギャラリーには1920年代のドレスが見られる。背景の幾何学的な装飾デザインは、ニューヨークの摩天楼を象徴する。

メトロポリタン美術館の最後の部屋は、アメリカの有名女性マリアン・アンダーソン(Marian Anderson)からジェーン・ライツマン(Jane Wrightsman)に至るまで、20世紀を展望する数々の写真によるモザイク(コラージュ)が構成されている。
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◆ ブルックリン美術館(200 Eastern Parkway, at Prospect Park)の『American High Style: Fashioning a National Collection』は8月1日まで開催。お問い合わせは (718) 638- 5000

◆ メトロポリタン美術館の『American Woman: Fashioning a National Identity』は8月15日まで開催。お問い合わせは(212) 535-7710 http://metmuseum.org

1 件のコメント:

JA Circle さんのコメント...

『ファッション展』と言うより、20世紀の『回顧展』と言った方が適切かも知れません。