この復活祭を祝うのには、タマゴが主役となる。『新しい生命が蘇る』という意味をタマゴで象徴させたのであろう。茹でタマゴを彩色し柄をつけ、草むらに隠し、子供たちに『宝探し』ならぬ『タマゴ探し』をさせるゲームは、復活祭の行事には欠かせない。ここにタマゴの親ニワトリならぬウサギが登場するのは不可解だが、何となくタマゴとウサギの取り合わせが似合うから奇妙だ。
またパレードも各地で催されるが、中でも古典映画『イースター・パレード(Easter Parade: 1948)』で有名になったニューヨーク五番街では、毎年、我こそはという目立ちたがり屋が、任意で衣装をこらし華々しく競い合ってそぞろ歩く。これは見物するだけでも楽しい伝統だ。
これほど盛んな行事を商人が見過ごす筈がない。この時季になると、マーケットにはタマゴやウサギを象ったキャンディが商品棚に満ち溢れる。中には怪しげでな商品もある。生きたヒヨコを極彩色に染め上げた売り物(右の写真)には首を傾げたくなる。
また、4月8日(旧暦)は釈迦(ゴータマ・シッダッタ)の誕生日でもある。生まれて直ぐ十歩前に進み右手で天を、左手で地を指し「天上天下、唯我独尊(てんじょうてんげ ゆいがどくそん)」と喝破したそうだが、真相は定かでない。日本では『花まつり』、正式には『灌仏会(かんぶつえ)』が新暦の4月8日に行われる。
小さな釈迦の像の頭に甘酒をかけて祈ると望みが叶う、と子供たちは信じて参加する。『酒』といっても子供でも呑めるモノだから、アルコール分は殆ど無いのではあるまいか。
いずれにしても、キリストと釈迦のお二人は数千年経った今日まで、歴史上最も尊敬されてきた宗教の教祖であり今後もその教えや導きは綿々として続くであろう。
宗教はしばしば自己中心に陥り易く、他の宗教に偏見を持って反撥する傾向が見られた。だが、近年、異なる宗教を信仰する人達の間で、それぞれお互いの良さを認め、共通の信念を発見して尊敬し合い、友好関係を結ぶようになってきたことは喜ばしいことだ。 編集:高橋 経
1 件のコメント:
イースター、花まつり、おめでとう。良い日でありますよう。
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