アニメーション作家、皮三(ピー・サン左の写真)こと、ウェイ・ボーの作品が話題になっている。ご承知、共産中国政府の言論統制は至って厳しい。特に政府の政策について、中国人民は発言の自由が全くない。そうした環境の中で、温云超(ウエン・ヤンチョウ)や皮三を始め、官憲の目を潜り、インターネットを通じて政策を批判したり風刺する反骨精神の持ち主が何人か存在する。陰ながら草の根人民のみならず、欧米ファンの喝采も博している。この反抗児たちについては長くなるのでいずれ稿を改めてお知らせするとし、取りあえずYouTubeに発表された皮三の短編作品4本をここでご紹介する。主人公は丸顔で鼻血っ垂れのクァン・クァン(哐哐)、正直で優しい心の持ち主だ。台詞は、英訳されて画面に出てくるが、台詞ナシでも作家の言わんとする所はご理解いただけると思う。
学校をブッ飛ばす---- 7分31秒
2009年にインターネットで発表された初期の作品。3百万人が既に鑑賞した。政府はこれを見とがめ「不適当な内容」とし、皮三から罰金を徴収した。
よい先生---- 6分54秒
主人公のクァン・クァンは皮三の作品殆どに登場する。国家の制度が反映する形式主義の学校制度にしっくりと適合できないため、しばしば痛い目にあう。
小さなウサギちゃん、おとなしくして ----- 3分47秒
2011年はウサギ年。やんわりと年賀状のテーマに、、、という積もりだったのが、不公平な社会のお陰ででとんでもない悪夢に発展。政府の弾圧に対する不満を、このアニメーションを通じて発露。
38度線-----クァン・クァンの日記から ----- 18分20秒
朝鮮を南北に分けた北緯『38度線』が後年、『分割』とか『超すべからざる境界線』という意味に転化して広く使われるようになった。この話は、教室の二人用デスクに『境界線』を描いたことから、男女生徒を分割するまでに拡大し悪化する。「机を分け合った友達と仲良くしたい」クァン・クァンの願いが叶うかどうか?
1 件のコメント:
『言論統制』はかつての日本にもあった。恐ろしいことだ。思ったことを口にする前に、罰則を思い、口を閉じてしまう。そんな国家には二度と住みたくない。
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