志知 均(しち ひとし)
2010年7月8日
2010年7月8日

人工細胞の合成実験は、バクテリアの中では染色体が最も小 さいといわれるマイコプラズマ・マイコイデス(Mycoplasma mycoides以下M. mycoidesと表記:下右の写真)を使って行われた。この選択にはマイコプラズマ(Mycoplasma)に関するVenterグループの長年の研究成果が土台になっている。まずこのバクテリアの染色体(600,000個のDNA塩基の連鎖)を試験管の中で作成した。次にM. mycoidesと近縁のマイコプラズマ・カプリコラム(M. capricolum)の細胞から染色体を除き、合成したM. mycoidesの染色体を代わりに注入した。この細胞を培養すると野生のM. mycoidesと同じように増殖し、増殖した細胞は、M. capricolumには無く、M. mycoidesに特有のタンパク質を合成した。

「これで生命とは化学物質の相互作用でできる現象でしかないことが証明された」と言う人さえいる。『生命の神秘性』に対する科学の挑戦が、哲学者、倫理学者、宗教者たちへ問題を提起することは間違いない。

(顕微鏡写真のクレヂット:Tom Deerinck and Mark Ellisman, National Center for Microscopy and Imaging Research, University of California, San Diego Scanning electron micrographs of M. mycoide)
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