2011年4月1日金曜日

日本列島と原子力発電

先日、日本の電力、3割が原子力発電に頼っていると聞いて驚かされたが、日本はアメリカ、フランスに次ぐ原発大国で、その施設が日本列島に21カ所、合計54基が運転されていると知って、改めて愕然とした。
(地名その他の詳細は最下段に表示)

前にも書いたが、ここでもう一度繰り返させていただく。

原子爆弾の唯一の被災民族である日本人が、原爆反対を唱えている一方で原子力の恩恵を受けているジレンマをどう論理付けたらよいのだろうか?

それには、原発から放射能が『絶対に』漏れないという安全保証が第一条件である。原発の設計者がマグニチュード7.0の地震対策を考慮した、ということだが、言い換えれば「マグニチュード7.0以上の地震が起きた場合は保証の限りではない」ということに他ならない。日本の格言に「転ばぬ先の杖」という警告があり、アメリカの格言にも「、、、最悪事態に備えよ(... Prepare for the Worst)」という言い習わしがある。

今度の原発爆発の不始末に対して、設備管理の責任者や設計者は、その過小評価による不備の誹りを免れまい。したがって原発事故は正しく人災である。

毎日新聞の記事によると、東京電力の勝俣恒久会長は『人災』を認め、福島第1原発の1~4号機廃炉とする方針を示したということだ。それに対して地元住民の多くは当然と受け止めている一 方、原発なしでは成り立たない地域経済の不都合もからみ、「失われる雇用をどうするのか」といった将来を心配する声も出ている。

こうしたジレンマは、政府と国民が一体となって真剣に討議し、早期に解決しなければならない重要な問題であろう。

ここで改めて原発の現状を展望してみた。
1975年から2009年まで24年間の推移を見ると、日本の電力使用量が2005年をピークとして年々上昇している。それは当然として、消費者が知らない供給者側の各種資源利用の内訳に注目すると、石油の利用が年々減っている一方(これは喜ばしい傾向だが、、、)原子力、石炭、液化天然ガス、の利用が年々増加しているのが目立つ。水力発電に増減がないのは、開発し尽くした、ということなのだろうか。編集:高橋 経

上図、原発の所在地、名称、炉数、その運営企業

1. 北海道、泊村、;3基 (北海道電力)
2. 青森県、大間町、大間:建設中 (電源開発)
3. 青森県、東通村、東通:2基 (東北電力)
3. 青森県、東通村、東通:1基建設中、1基計画中 (東京電力)
4. 宮城県、女川町、女川:3基 (東北電力)
5. 福島県、南相馬市、浪江・小高:計画中
 (東北電力)
6. 福島県、大熊町、福島第一:6基操業中に爆発破損;2基計画中 (東京電力)
7. 福島県、楢葉町、福島第二:4基 (東京電力)
8. 茨城県、東海村、東海:廃止
日本原子力発電
8. 茨城県、東海村、東海第二:(日本原子力発電
9. 新潟県、柏崎市、柏崎刈羽:7基 (東京電力)
10. 石川県、志賀市、志賀:2基 (北陸電力)
11. 福井県、敦賀市、敦賀:2基操業中、2基計画中 (日本原子力発電)
12. 福井県、敦賀市、文殊:建設中;普賢:廃止 (日本原子力発電)
13. 福井県、高浜町、高浜:4基 (関西電力)
14. 福井県、美浜町、美浜:3基 (関西電力)
15. 福井県、大飯町、大飯:4基 (関西電力)
16. 静岡県、御前崎市、浜岡:2基廃止、3基操業、1基計画中 (中部電力)
17. 島根県、松江市、島根:3基 (中国電力)
18. 山口県、上関町、上関:2基計画中 (中国電力)
19. 愛媛県、伊方町、伊方:3基 (四国電力)
20. 佐賀県、玄海町、玄海:4基 (九州電力)
21. 鹿児島県、薩摩川内市、川内:2基操業中、1基計画中 (九州電力)

資料は毎日新聞2011年3月30日夕刊から

1 件のコメント:

JA Circle さんのコメント...

「フグは食いたし、(毒に)当たるは怖し」と昔から言われている。日本に建設された原発は正に時限爆弾そのものである。毒に当たってからでは遅い。しかし当たってしまったのだから解毒の急速な解決を望む。