
トーマス・エヂソン(Thomas Alva Edison:上右の写真)と言えば、誰でも『発明王』として知っている。蓄音機(ちくおんき:レコード・プレーヤー)や映写機を始めとして、アメリカの特許1,093件を保持していた、というから並大抵の発明家ではない。中でも最大の発明は『電球』であろう。正確に言うと『白熱電球(Incandescent light bulb)』だが、この電球の発明ほど家庭の必需品として世界に普及した商品はあるまい。

さて、今回の話題は『電球』に限る。


エヂソンの電球は、熱線の燃焼を防ぐため内部を真空にしていたが、その他には、アルゴン、クリプトン、キセノン、ハロゲン(左の写真)等、さまざまな特殊ガスを封入した電球も生産されていた。
こうして今日まで130年余りもの長期間、電球は世界各地のどの家庭でも必要欠かすべからざる必需品として愛用され、消耗され、生産され続けてきた。その必需品『電球』に10数年前あたりから静かな革命が起っていた。『蛍光電球』の出現である。これは蛍光灯の原理を『電球』に応用したものである。
『蛍光灯』そのものはさして目新しい製品ではない。オフィスや工場、さらに家庭でも可成り以前から使われていた。『白熱電球』に比べて明るく、長持ちするからという理由が主だった。難を言えばスイッチを入れてから点灯するまで僅かながら間があった。そのため、頭の回転がゆったりしている人を『ケイコウトウ』と多少軽蔑をこめて呼んでいたこともあった。最近ではこの『遅れ点灯』も改良され、死語となったのは喜ばしい。


